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日立、富士通が事業売却?事業再編で生き残れる人材になるためには

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今日ニュースで知ったのですが、富士通がパソコン事業をレノボグループと統合する方向で調整に入ったとの報道がありました。

以前から2016年春を目処にPC事業を分社化、もしくは事業譲渡も含め検討すると発表されていましたが、東芝やVAIOとの事業統合の道を模索したものの、結局破談したようです。

富士通のパソコンと言えば、CMにキムタクを起用したFMVが一世を風靡しましたが、このような状況になるとは残念です。

また、日立が子会社の日立工機、日立国際電気の売却を検討していることが明らかになりました。

日立が「日立工機」売却を検討 選択と集中を加速、日立国際電気の半導体製造装置事業も
日立製作所が、工具と半導体製造装置の事業売却を検討していることが5日、分かった。社会インフラ関連などに経営資源を集中する一方、事業の選択と集中を進め、収益力…

日立国際電気は一般的な知名度はあまりありませんが、電機業界では有名な会社です。

通信分野に強く、通信事業者向けの高信頼な通信機器では特に定評があります。

富士通の場合は、不採算事業の整理によって本体の財務体制を改善させる狙いですが、日立の場合は比較的優良な子会社を売却しようとしています。

これは日立本体のビジネスを従来の「なんでも屋」からコア事業に深化しようとしていることが伺えます。いわゆる「事業の選択と集中」です。

…なんて書いていたら、今度はシャープが複写機事業の売却を検討しているとのニュースが出てきました。

シャープ:複写機事業の売却検討 黒字も相乗効果薄く | 毎日新聞
台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建中のシャープが、コピー機やファクスなど複写機事業の売却を検討していることが6日、分かった。シャープの主力事業の中では高収益事業だが、鴻海との相乗効果が期待できないうえ、今後大きな成長が見込めないため、国内の大手メーカーなどに売却したい考えだ。

シャープの複写機事業はシャープ内でも好調なのに、買収されたホンハイとの協業効果が見込めないため、価値があるうちに事業譲渡する模様です。

これらのニュースは、今日一日で公表されたニュースです。

これからはどんな大企業でも安泰ではない

特に電機業界は今、逆風が吹いています。

アジア勢の台頭によって付加価値が高かった電気製品がコモディティ化して利益を出せなくなり、日本の電機メーカ各社は、軒並み苦戦を強いられています。

どの電機メーカも半導体、パソコン、携帯・スマホ事業は売却か統合・再編しか生き残る道がありません。

大企業に就職したからといって安穏としていられる時代は完全に終わったと言っていいと思います。

私も少し前までは「なんだかんだ言っても大企業は潰れないし、いざ潰れそうになったら国が公的資金を注入してでも救済してくれる」と思っていましたが、最近は考えが少し変わりました。

確かに大企業が潰れそうになると国が救済に動いたり、競合他社によるM&Aで生き残るので、中小企業みたいにいきなり倒産、全員解雇にはなりません。

しかしM&Aや事業譲渡で会社の状況が変わると、ほぼ例外なく「必要な社員」と「不要な社員」の選別が行われます。いわゆるリストラです。

買収されてもしばらくの間は雇用が継続されますが、以前よりもずっとシビアな目で評価されるようになります。

その結果、給料にパフォーマンスが見合ってない社員は良くて降格、悪ければリストラされてしまいます。

富士通のパソコン事業はかつての花形事業でした。

日立国際電気だって通信機器では日本でトップクラスのメーカです。

もちろんこれらの事業が全部傾いているわけではありませんが、働いていた社員は富士通や日立の社名に誇りを持って働いていたのに、ある日突然会社の都合で事業部ごと他社に譲渡されてしまうのです。

私の同級生にも大手メーカに就職した人間がたくさんいましたが、皆、子会社への転籍や事業売却で職場が変わってしまい、入社したときの会社に残っているのはわずか数人です。

これからは入社した会社で定年まで勤め上げるというのはかなりレアケースになっていくのではないでしょうか。

事業再編で生き残れる人材になるには

普段から自己研鑽に努力を惜しまずスキルアップに勤めてきた人は、職場でも中核的なポジションにいるでしょうから、事業譲渡されようがM&Aされようが新しい環境でもリストラされることはありません。

しかし、大企業に在籍していることで満足していた人達は大変でしょうね。

特に外資に事業譲渡されたら、まず間違いなく英語力が要求されます。

エンジニアスキルが尖がっている人はそれだけで重宝されるのでさほど英語は重視されないと思いますが、それでも本社のエンジニアと共同でプロジェクトを進めるケースも多いでしょうから、遅かれ早かれ英語は必要となってきます。

特に富士通などはレノボと合弁会社を設立するのであればマネジメント層は最低限英語が必須でしょうし、英語が出来ない社員は徐々に立場が悪くなっていくことでしょう。

しかし、事業売却やM&Aは社員にとっては”チャンス”です

事業譲渡やM&Aによってトップが替わり、会社の経営方針や評価基準ががらっと変わるので、特に今まで上司との相性が悪くて評価がいま一つだった人は能力を見出してもらうまたと無いチャンスです。

私の経験で言えば、以前の会社では英語が出来るのが私ぐらいしかいなかったので、打ち合わせから契約書作成、評価基準の策定や海外規格の調査、時には現地規格の取得・申請まで辞書を引きながらやっていましたが、「すごいねー」と言われることはあっても、それが評価に繋がることはありませんでした。

しかしM&Aによって買収されると、新しく入ってきた親会社の幹部からは「これ、君一人で全部やってるの?」と驚かれ、契約書や調査などの事務仕事は親会社の専門部署で引き受けてもらえるようになり、自分は本来の開発業務に専念出来るようになりました。

まさに評価基準が変わって自分の価値を見出してもらったのです。

もちろん評価は給料にも反映されましたが、それよりも私が嬉しかったのは、前の会社で一人で奮闘していながら理解されなかったことが新しい会社で評価されたこと。自分がやっている仕事の価値をわかってもらえたことが一番嬉しかったのです。

事業売却とか身売りというと、なんだか落ちぶれたような印象がありますが、買う側としては自社に無い技術やサービスを買って他社との競争に立ち向かうわけですから、買収した部署にいる中核的な人材を虐げたり消耗するような使い方はするはずがありません。

不幸にもM&Aに巻き込まれたとしてても、「今よりももっと高い評価を得ることが出来るチャンスに恵まれた!」とポジティブに考える人のほうが、新天地で新たな才能を見出されたりすることが多いと思います。

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