英語の学習には毎日いろんな発見があります。
特に私が感じたのは、イディオムによる表現の多さです。
イディオムとは2語以上からなる英語の熟語のことで、単語そのものの訳からは意味が推測出来ないものが多いです。
使役動詞のlet, make, have, getやgo, take, put, look, give, come, set, see, showなどの動詞に絡むイディオムはたくさんあります。
例えば、look for~は「探す、求める」という意味ですが、look=見る、for=~のために、という意味だけ見るとlook forの意味が想像つきません。(でもlook for~ぐらいだったら勘のいい人はなんとなく想像出来るかも)
しかしlook into~(調べる)とかput ~ off((乗りものから)降ろす)とかになると、想像力だけではどうにもなりません。イディオムを知らないと理解できないわけです。
「こんなイディオムがあるよ」とか「こんな使い方するんですよ」といったテクニカルな解説は他にいい書籍やサイトがたくさんあるのでここでは触れません。
ここで言いたいのはイディオムも通じないときがあることです。
イディオムが通じないってどういうこと?
しばしば勘違いしてしまいがちなことに「ネイティブスピーカーが使う英語はどこでも通じる」という思い込みがあります。よく考えてみればわかるのですが、相手が非ネイティブでそのイディオムを知らなかったら通じるわけがありません。
例えば、会議を終えるときに使う”let’s call it a day.”はネイティブが頻繁につかう表現です。
ネイティブとの会議が多い人は「call it a day=今日はこれで終わりましょう」が普通だと思い込んでしまいますが、相手が非ネイティブでcall it a dayを知らないと通じません。
相手の英語レベルによりますが、相手もネイティブとの付き合いが長い人はcall it a dayを知っているでしょうし、英語を使う機会が非ネイティブの人に限られているとするとcall it a dayを知らないかもしれません。
この「イディオムが通じないときがある」ということを知らないと、「なんでコイツ俺の(ネイティブにも通用する)英語を理解できないんだ!」と勘違いしてしまいます。
非ネイティブがイディオムを正しく理解しているわけではありません。
我々が苦労して単語やイディオムを覚えているように、英語を第二外国語として学習している人たちも同じように苦労しています。アメリカ人とイギリス人の間でさえイディオムや表現の違いで意思疎通が出来ないことがあるのですから、非ネイティブ同士ではいわずもがな、です。
英語の話者数は、いまや非ネイティブスピーカーがネイティブスピーカーを上回っていますから、イギリスやアメリカで使われているイディオムが通用しない地域があっても不思議ではありません。
我々英語学習者はネイティブが頻繁に使うイディオムは正しい、と頭から思い込んでしまいがちですが、正しい=どこでも通じる、というわけではないことを心に留めておきましょう。
とは言っても最低限のイディオムは必要
英語はたった26文字の組み合わせで言語を構成していますから、必然的にイディオムが発達しないと表現が不足します。
そのためイディオム無しで英語を使うことはほぼ不可能で、最低限のイディオムは覚える必要があります。
イディオムの覚え方は、単に頭から暗記するのではなく必ず例文とセットで覚えることが大事です。
イディオム単体で覚えても、いざ使うときに思い出せないばかりか記憶にも定着し辛いので、必ず例文で覚えるようにしてください。
例文は一字一句暗記する必要は無く、例文の音声を聞いたときに日本語訳が頭に浮かべられればOKです。
市販の単語テキストやイディオム辞典には例文の音声が収録されたCDや音声データが付いているものが多いのでこれらを活用するのがいいでしょう。基本的には単語学習と同じです。
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