今回は英語そのものの話ではなく、海外出張にまつわる話です。
海外出張で心配なことの一つに現地の治安があります。
むやみに財布や現金を出さないとか、荷物を置きっぱなしにして離れないとか、多額の現金は持たない、といった一般的な海外旅行での対策はすでにご存知だと思いますので、ここでは触れません。
私が一人で海外出張のときにやっている、犯罪に巻き込まれないちょっとした小技を紹介します。
サングラスで視線を隠す
たったそれだけ?と思うかもしれませんが、結構効果があります。
当たり前ですが、サングラスは視線を隠します。つまり表情を隠すんですね。眼の表情が見えなくなるだけで人の表情はかなり消されます。
犯罪を犯す側からしてみれば、ターゲットの表情が見えないのはリスクが大きいです。
見た目はひょろいけど、もしかしたら眼つきの鋭いカラテの達人なんじゃないか?とか、表情が見えないということは犯罪者に与える情報が絞られ、彼らの不安を搔きたてることが出来るのです。
そうなると犯罪者の心理としては、表情の見えないターゲットより表情が見えるマヌケ面のほうが仕事がしやすいわけです。
日本人は休日ぐらいしかサングラスをしませんが、海外ではごく普通のアイテムです。「スーツ姿でサングラスなんてカッコ付けてる」なんて海外では思われません。
軍関係者の雰囲気を醸し出す
アメリカあたりだと、軍に入るのは士官を除けば、他に仕事を得られなかったか、任期を務めあげて大学の奨学金を獲得するためかのどちらかです。
そういう意味で一般兵の社会的ステータスはそれほど高くありませんが、一方では命を懸けて国防に従事している人間として国民からリスペクトを受けていることも事実です。
襲う側から見て、軍関係の人間を襲うことにはリスクがあります。
もし襲った相手が戦地から帰ってきた兵士だったとしたらどうなるでしょうか?
命がけで国に奉仕している人間を襲うとはなんて奴だ!と、一般の人に犯罪を働いた時の何十倍もの非難を浴びることは必至です。裁判になれば一般的な強盗よりも罪が加重されることもあります。
また、現役兵でないにしても過去に軍歴がある人間だとしたら格闘技経験があるかもしれませんし、下手すると返り討ちに逢ってしまうかもしれません。
捕まってしまったら一般犯罪と比べて重く処罰されることを考えると、軍関係者をターゲットにするのはリスクが高いのです。
犯罪者の心理からすれば、一般市民の、しかもおとなしそうな旅行者を狙ったほうがリスクが低い、と考えるのが普通です。
出張期間にもよりますが、私はこんな感じのダッフルバッグ+スーツケースでの移動が多いです。
初めからこういった防犯目的で使っていたわけではなく、単に何でも雑に放り込めて丈夫なバッグだったので使っていました。(しかも安い)
空港やホテルで荷物をピックアップするときよく「どこ(の戦地)から帰ってきたの?」とか「陸軍か?どこの部隊にいたの?」と声を掛けられます。空港のセキュリティや警官は軍隊上がりが多いからでしょうか。
このようにセキュリティに声を掛けられることは逆に犯罪者を遠ざけてくれる効果もあると思います。
手ぶらでフラフラ歩いている奴には気をつけよう
特に空港ですが、手ぶらでフラフラ歩いている人間は要注意です。
というのも、通常空港は多くの旅行者が大きな荷物を持って移動しているものです。カウンタに荷物を預けたとしても小さなバッグや手荷物の一つは持っているのが普通で、その中で荷物を持っていない人というのは
・空港職員(航空会社、警備員、清掃員、空港内ショップのスタッフ、など)
・送迎、見送りの知人
ぐらいでしょう。
空港職員はユニフォームや見た目でわかりますが、問題は送迎で空港に来た人達です。本当に送迎に来た人達なのか、それともスリ、置き引きや引ったくりの犯罪予備軍なのか、一見見分けがつきません。
犯罪予備軍の見分け方
ただその中でも、スリや置き引きなどは例外なくターゲットの表情(視線)を伺っています。表情を伺っているということは、あなたが振り向けば視線が合うということです。
周りをざっと見渡したとき、あなたと視線が合う人間は
- たまたまあなた(の方向)を見ていた。
- 外国人(アジア人)が珍しくて見ていた。
- ターゲットとしてロックオンされていた。
のいずれかだと思います。
ほとんどが1または2ですが、もしかすると3かも?と用心することがスリや置き引き、ひったくりからの被害を遠ざけます。
3は視線が合うと逸らすのですぐにわかります。視線をそらせられれば、その犯罪者はあなたをターゲットから外し、別のターゲットを探しに行くでしょう。
犯罪者の心理を読む
一人で海外に行くときは大抵気が張っているので無意識で周囲に注意を払っていますが、複数で行動しているときは仲間がいる安心感からか気が緩みがちです。行楽地にいる団体客のテンションが自然と高くなるのと同じで、本人達は気が付かないものです。
仮に、自分がスリや置き引きをする側の眼で旅行者を見るとよくわかります。
表情が見えない(サングラスをしている)人間よりも、表情が見える脇の甘そうなビジネスマンを狙ったほうが成功する確率が高いでしょうし、男性を狙うよりも線の細い女性を狙うほうが確率が高いでしょう。
一方でたとえ女性でも周囲に注意が向いている人よりは、マヌケそうな男性を狙ったほうが成功しやすいのでは、と考えるのが自然です。
犯罪を犯す立場で考えればどんな人がターゲットになりやすいか、どんな人だったら狙われにくいかが見えてきます。
それを逆手にとって自身の防犯に役立てましょう。
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