中学・高校の英語教育は無駄ではない!その理由とは

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よく、日本人が英語が出来ない理由に「学校での英語教育がダメだから」「受験英語は実社会では役に立たない」と批判されることが多いです。中学、高校で6年間も勉強したのに全然話せるようにならないじゃないか!と。

果たして学校での英語教育はダメだったのでしょうか?

私はそうは思いません。

特に中学の英語教育は実に効率よく文法を学習出来るカリキュラムだと思います。

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外国語の習得には最低1500時間必要

一般的に外国語を一から習得するには、学習者の素養にもよりますが最低1500時間は必要と言われています。

これは一日3時間学習するとして500日、約1年半弱かかる計算です。社会人が仕事をしながら土日も含め、3時間/日を確保するのはかなり大変だと思います。

中学での英語の授業数は、他の教科との兼ね合いもありますが、年間140時間程度です。(文科省 中学校学習指導要領より)

中学3年間でおおよそ420時間程度、高校も概ね同じ程度と考えれば、6年間で学校で学ぶ英語の時間数はおおよそ800時間前後でしょう。

外国語の習得に必要と言われている1500時間の約半分しか中高でやらないのですから、それで外国人とスラスラ会話出来なくても当たり前なのです。

英語は文法から入るのが最も効率が良い

学校での英語教育に対して批判的な意見がある中で、特に「文法主体の授業」が槍玉に挙げられることが多いです。

でも本当にそうでしょうか?

幼児や小学校低学年ではそもそも言語を文法で理解することが出来ません。そのため、このぐらいの年齢で外国語を習得するためには、現地校に入って英語のシャワーを浴びるとか、キッズ向けの英会話スクールでネイティブの講師から簡単な単語から始め、同じフレーズを何度も繰り返して体で覚えるやり方しかありません。

しかしこれはあまり効率の良い学習方法ではありません。

よく「子供は頭が柔らかいから文法なんか勉強しなくても英語を覚える」という方がいますが、そもそも幼児や子供は体系的に整理された文法を理解することが出来ません

幼児に品詞や時制を体系的に教えても理解することが出来ないので、体操やスポーツのように繰り返し、反復して覚えるしかないのです。決して頭が柔らかいから勝手に覚えるのではありません。

一方、中学生になると母国語(日本語)もほぼ完全に話せるようになり、体系的に整理された文法を理解出来る力が備わってきます。幼児のように外国語の習得にふんだんに時間を使える環境であれば何度も英会話を繰り返して身に着けるのもよいのですが、言語のルール(文法)を理解しながら語彙(ボキャブラリ)や慣用句を覚えたほうがはるかに効率良く習得出来るのです。

そのため、中学で文法から英語学習を始めるというのは非常に理にかなっていると言えます。

そうは言っても高校卒業程度じゃ英語が話せないじゃないか!?

先ほども言いましたように、中高6年間での英語の学習時間はわずか800時間程度です。圧倒的に学習時間が足りていないのです。ですから、これで話せなくても「当たり前」なのです。

もしあなたが英語学習にお金と時間をふんだんに使える余裕があるのであれば、文法など学習せず幼児と同じように英語オンリーの環境で反復練習で身に着けるという方法も良いでしょう。

しかし、多くの方は学校や仕事を持っており、英語学習のために生活環境を変えるのは現実的に厳しいのではないでしょうか。

今は忘れているかもしれませんが、中高で6年間も文法を勉強してきたのですから英文法の基礎は出来ています。昔勉強してきた文法をおさらいしていくことで、徐々に昔の記憶を蘇らせることができるのです。

「なんとか英語をやり直したい!」という想いがあれば、むしろ中学の時に初めて英語を始めたときよりもスムーズに習得できることでしょう。

個人的には、高校の英語は2コースに分かれてもいいと思います。

一つは大学受験も見据えた従来の英語カリキュラムと、もう一つは中学英語をベースとした会話重点コースに分けるのです。

会話重点コースは、中学英語をベースとした日常会話のフレーズを徹底的に繰り返して、旅行、道案内、自己紹介、自国の歴史紹介などを一通り英語で出来ることを目的とします。もう勉強というよりトレーニングのように反復練習、効果確認を繰り返すのです。

どんな生徒でも3年間、英語の日常会話を繰り返し反復練習すれば、英語圏の旅行で不自由することが無いレベルに到達できるはずです。

特に大学進学をしない、もしくは受験科目に英語が無い進学先を目指す人にはこの会話重点コースのほうがよほど実用的だと思います。