語学を学ぶ以上、単語の暗記は避けて通れません。
しかし、ただひたすら暗記するのはしんどい上に全く楽しくないですよね。
なんとか楽に単語を覚える方法はないのでしょうか?
ランダムに単語を覚えるのは誰でも辛い
誰だってランダムに単語を覚えるのは辛いです。
私は、東海道線の駅名を東京から名古屋まで覚えろ、と言われたら1分でギブアップする自信があります。
そんなの無理です。私は暗記自体が苦手ですし、そもそも駅名を暗記することに価値を見出せないのでモチベーションが上がりません。
人間、何か目的や意義が無いことには集中して取り組めないものです。
駅名や円周率を暗記出来る人は、暗記すること自体に意義を感じているのではなくて、膨大な量を暗記したことを褒め称えられることに喜びを感じているのです。
つまり”承認欲求を満たされたい”、その手段が暗記なだけなのです。
でも語学はただ単語を暗記しても褒められることはありません。
その暗記した単語が使えないことには何の役にも立ちません。
単語帳を赤シートを使って必死に暗記しても楽しくないのは、覚えただけでは誰にも褒められませんし、暗記したことが役にたっていることを実感出来ないからです。
初心者は例文で覚える
単語はランダムに覚えようとしてもなかなか頭に入るものではありません。
円周率を何万桁も暗記する人ですら、数字を語呂合わせように意味付けして暗記するといいます。
人間の脳は無機質なものや意義を感じられないことを暗記するのは大の苦手なのです。
なので初心者はまずは例文で単語を覚えるべきです。
学生時代のように単語をノートに何十回も書き殴って覚える必要はありません。
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文章で覚えるのは非常に簡単です。
後でその例文を読んだときに単語の意味を思い出せればそれでOKです。
単語だけ切り出されて意味を問われてもなかなか思い出せないものですが、文章になると途端に記憶が蘇ってきます。
なぜなら、単語単体ではそれほど印象がないのに、文章になった途端にその文章の情景が頭に浮かび、それが強い印象となって記憶に焼き付けられるからです。
これだと単語の意味をフラッシュカードで一字一句暗記するよりずっと簡単ですよね?
“使える単語”と”知っている単語”
単語には2種類あって、これを意識しているのとしていないのとでは、英語学習の効率が違ってきます。
それは、英単語には「使える単語」と「知っている単語」の2種類があるということ。
使える単語とは、自分自身で意味も使い方も覚えていて、かつ文章として使いこなせる単語のことです。
頭の中で英文化してそれが口から出てくれば、それはあなたにとって「使える単語」です。
一方、知っている単語とは、自分自身で使ったことは無いけど、聞けば知っている単語のことです。
例えば、delinquencyという単語は「過失」「非行」という意味ですが、私は今までの英会話でこの言葉を一度も使ったことはありません。
もし私が「少年の非行」について話そうとしたら、young people and crimeとかcrime of young peopleのような単語を使って話をすると思います。
しかしdelinquencyという単語は過去にDUO3.0の例文で覚えたので、聞けば意味はわかります。
この場合、私にとって”crime”(犯罪)という単語は「使える単語」であり”delinquency”は「知っている(けど使いこなせない)単語」になります。
何を言いたいかというと、覚えようとする単語を全て「使える単語」にしなくてもいいということです。
例えば、我々日本人でさえ「沽券」とか「瑕疵」とか「老獪」という単語を日常会話で自由に使える人はそう多くありません。
しかし「沽券に関わる」「瑕疵を認める」「老獪なる知将」と聞けば意味はわかるのではないでしょうか。
ともすれば英単語の学習に根詰めると、難しい単語も「使える単語」にしようと頑張ってしまいますが、全てを「使える単語」にするのはほぼ不可能です。
ネイティブですら「意味は分かるけど使ったことは無い」という単語はたくさんあるのです。
英単語には「使える単語」と「知っている単語」の2種類があり、「知っている単語」は使いこなせなくてもいいもの、と考えると単語学習がぐんと楽になります。
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