海外出張で相手のオフィスを訪ねたとき、ふとした空き時間に世間話をする機会があると思いますが、この時間を苦痛に感じる英語初心者も少なくありません。
逆に外国人が来社したときも、打ち合わせの合間やショートブレークのときなど、他愛も無い話が軽く出来ると場が持ちやすいですよね?
でも、天気の話はミーティング前にしてしまったし、何と言って話しかければいいものか…という人にオススメなのが「相手を褒める」こと。
相手を上手に褒めると、その後のコミュニケーションが円滑になり相手との距離がぐっと縮まります。
今回はそんな「褒め方」について紹介します。
人は褒められるとお世辞でも嬉しいもの
アメリカ人が全て褒め上手かといえば人にもよるのですが、皆、総じて褒め上手です。
小さいときからパーティー文化の中で育っているせいなのでしょう、褒めることで人間関係を円滑にする術を身に着けているのだと思います。
人は褒められるとたとえお世辞でも嬉しいものです。
あからさまな褒め言葉はどうかと思いますが、それでもそう言って褒めてくれる人のことを良くは思わないにしても嫌いにはなりませんよね。
褒めてくれているということは程度の差はあれ、少なくともこちらに敵意を持っていないということですから。
上手な褒め言葉は、会話の切り出しにとても便利です。
ちなみに「褒める」は英語で”praise”です。
ノーベル賞は英語で”Novel Prize”ですね。
“praise”は言葉で褒めるのに対して、”prize”は賞とか褒美(ほうび)と言った意味があります。
アメリカ人に学ぶ、英語で人を褒める方法
相手の身に着けているものを褒める
良さそうなスーツを着ていたら
(そのスーツいいね。)
・Nice jacket(shirts)!
(いいジャケット(シャツ)だね!)
niceの代わりにawesome(かっこいい)とかamazing(素晴らしい)も使えます。
相手が女性だったら
(素敵なスカートだね)
・That’s an awesome dress.
(素晴らしいドレスだね)
例えば、褒め言葉に続けて「それ、どこで買ったの?」と聞くと会話が広がりますね。
(格好いいシャツだね!どこで買ったの?)
・That’s a nice suits! Where did you make it?
(そのスーツいいね!どこで作ったの?)
身に着けているものを褒めるということは、その服を選んだセンスを褒めることになりますから、センスを褒められて嬉しくない人はいないでしょう。
(センスいいね!)
髪型をほめる
基本、服と同じです。
(その髪型いいね!)
・I like your haircut.
(あなたの髪型いいね!)
・It looks good on you!
(すごく似合ってるね)
“It looks good on you.”は「(その服)似合ってるね」としても使えます。
(そのシャツいいね!凄く似合ってるよ!)
車を褒める
アメリカなどはダウンタウンのど真ん中じゃない限り、公共交通機関での移動はほぼ無理です。
なので、タクシーとかUberを使って訪問すると、たまに担当者が車で送ってくれたりすることがあります。
アメリカは車好きが多く、古いマスタングとかダッジとかシェビー(シボレー)をレストアして乗っている人をよく見かけます。
そういう人の車を褒めると、褒められたほうが機嫌が良くなって相手との距離がかなり縮まります。
(この車すごくいいね!何年式なの?)
取引先のアメリカ人がアメ車のスポーツカーに乗っているのを見て「あなたの乗っている車はもしかしてダッジのチャレンジャー、1970年式?初めて本物を見た!」と言ったら目を白黒させて「日本人なのにこの車知ってるのか?」と車の話で大盛り上がりしたことがあります。
一般的にアメリカの多くの州では16歳で車の免許を取得出来ます。
日本のように人口密度が高くないため、通学するにはどうしても車が欠かせないんですね。
裕福な家庭は新車を買ってもらい、普通の家庭は中古車か親のお下がり(親は子供が免許を取るタイミングで乗り換える)を乗るのが一般的で、中にはアルバイトでお金をためてピックアップトラックやスポーツカーを買う人もいます。
このように若い頃から車に触れる機会が多いので、自ずと車好きが多いのだと思います。
なので、アメリカ人に車ネタは割と外さない鉄板ネタです。(たまに車に全然興味が無い人もいますが、日本とは比べ物にならないぐらい少ないです)
逆にやってはいけない褒め方
女性のスタイルを褒める
海外の女性には豊満な体形が多く目のやり場に困ることも多いですが、体のラインとか体形とかを褒めるのはNGです。
胸元を強調する服を着ていたり、体のラインが出る服を着ているので、男性としてはスタイルをイジりたくなるものですが、日本のミニスカートと同じで露出しているのはキレイに見せたいからであって男の性的な視線を満足させるためではない、という人も中にはいます。
英語が得意で向こうの文化に精通しているのであればスタイルについて突っ込んで褒めることは出来ますが、初心者にはハードルが高いので、スタイルを褒めるのは止めておきましょう。
女性のスタイルを褒めるのは恋人の仕事と思ってください。
肌の色や黒人のナチュラルヘアスタイルには触れない
たまに本当に綺麗な褐色の肌をした黒人女性を見かけますが、心から綺麗だと思っても肌の色には触れないほうが無難です。
中には褐色の肌を気に入らないと思っている人もいますし、違う人種の人に綺麗だと言われてもお世辞のようにしか聞こえなかったりします。
また、黒人は坊主頭でも天然パーマで綺麗に縮れている人が多いです。
たまにその綺麗な縮れ毛坊主頭をみて、”Can I touch your hair?”と言う人がいます。
本人は心の底から綺麗な頭だと思ったのと、純粋な好奇心からつい言ってしまったのだと思いますが、黒人の中には肌の色と縮れ毛にコンプレックスを持っている人が少なからずいますので、余程仲がいい関係にならない限り”Can I touch your hair?”などとは言わないほうがいいです。
日本風の謙遜はしない
自分が褒めるだけでなく、当然相手にも褒められる機会が多いと思いますが、褒められたときに日本風の謙遜をすると、そのまま言葉通り受け取られてしまう可能性が高いです。
例えば、「あなたはとても優秀なエンジニアですね」と褒められたとき「いやいやとんでもない、私なんか大したエンジニアじゃないですよ」なんて謙遜すると、相手には言葉通り「大したことが無いエンジニアなんだ」と受け取られてしまいます。
そのため、褒められたときは素直に笑顔で”Thank you.”と言うのが一番です。
どんな人にも必ず褒められるポイントはあります。
エンジニアだとまずスーツなんか着ていないので、体にフィットしているTシャツを褒めるとか、バックパック(リュックサック)を褒めるとか、探せば必ず一つや二つ「褒めポイント」が出てくるはずです。
他にも、相手の性格を褒める、仕事に対する熱意を褒める、等々いろいろありますが、まずは「身に着けているもの」であれば、簡単に話を広げやすいと思います。
褒めるほうも、相手が気分良くしてくれると褒め甲斐があります。
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