多くの人が語学留学しても上達しない理由

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先日、語学留学について興味深い記事を見つけたのでご紹介します。

この記事は、大学でメディア論を研究している新井克弥氏がフィールドワークを兼ねて自ら語学留学を行い、その体験を元に語学留学の有用性について言及しています。

私が読んで興味深かったのは、語学留学にくる学生の分析でした。

新井氏は語学留学の学生を観察して2つのグループに分類しています。

Aグループ:
・リスニング、スピーキングが弱い。
・文法、リーダーが強い。
Aグループには主にアジア系が多い。
Bグループ:
・リスニング、スピーキングに強い。
・文法、リーダーが弱い。
Bグループには主にヨーロッパや中南米系が多い。

リスニング/スピーキング/文法/リーダーの4つについてリプレースメントテスト(クラス分け)を行うと、同じ得点群でもAグループとBグループに分かれるのだそうです。

Aグループはアジア勢に多く見られるように、学校で一生懸命英語を学習してきたので、文法やリーディングが比較的良く出来ます。

一方でBグループは、ヒスパニック系やヨーロッパ系に多い、リスニングやスピーキングはOKだけど、読み書きが弱い人達です。

リプレースメントテストで同じ得点群の両グループが、同じクラスで同じ授業を受けると、どちらのグループも英語上達の効率が悪くなるそうです。

上記の記事を読むとその理由がわかるのですが、私にはなかなかの驚きでした。

いわゆるヒスパニック系の人たちは、ラテン系のノリというか国民性なのか、文法が合っていようがなかろうが知ってる単語を並べてガンガン話す人が多いということは広く知られています。Aグループの人たちですね。

日本語で言うとAグループの人たちは「ワタシ、ダメ、コレ。イイ、アナタ、オシエル」みたいな感じですね。意味不明ながらも次々と知ってる単語を必死に並べるので、コミュニケーション自体は取れる状態です。

で、このグループの人達は拙いながらもリスニングやスピーキングは出来るのに、なぜ語学学校に来ているかと言えば、正しい文法で英語を運用する能力が欲しいからです。

恐らく「ワタシ、コレ、ダメ」レベルでは日常生活では不自由しないものの、稼げる仕事に就くには英語力が全く足りない。だから正しい英語を学びたい。

ただ、このようにAグループとBグループの得手不得手の傾向などはずいぶん前から言われていたことなので、当然、語学学校ではそういうスキルの偏りに対応したプログラムを用意していると思ったんですが、そうではないのが驚きでした。

全ての語学留学がそうだとは思いませんが、質の高い学習をしたければプライベートレッスン、そうでなければ集合授業というのは大方の学校でやっているプログラムでしょう。

こういう現実を聞くと、「英語圏に行きさえすれば英語は覚える」というがかなり甘い考えであることを思い知らされます。

インターネットが発達した現代では、無理に語学留学しなくてもオンライン英会話でプライベートレッスンをたくさん受けたほうが費用対効果が高いのではないでしょうか。

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英語学校をドロップアウトした先にあるものは

語学留学している人にはこのような現状に見切りをつけ、語学学校をドロップアウトしてアルバイトや恋人を見つけて英語だけの環境に飛び込む人がいます。

実社会に飛び込むことで日常の実践的な会話は身につきますが、基礎を身につけていないのでその喋りは「じゃぱゆきさん」(古いなぁ)のような、たどたどしいけど全然通じるような喋り方になる、と指摘しています。「ワタシ、ダメ、コレ」レベルですね。

「考えるよりまずは行動」というのは「とにかく語学留学すれば英語が上達する」とは違うと思うんです。

  • 英語を手っ取り早く覚えたいから語学留学。
  • 留学先の学校がイマイチ合わないから出会った友人とシェアハウス。
  • 学校よりもヤミでアルバイトしたほうが実践的な英語の勉強になる上に収入も入るし。
  • 文法やリーディングなんてやらなくても、当初の目的だった「英語を話せるようになる」ことは達成。(でもニュースや新聞はよくわからない。ビジネストークも無理)

1年も滞在して日常会話がペラペラになる程度だと掛けたコストに見合わないのではないでしょうか?

バカンスを兼ねているならば否定はしませんが…。

ましてや、英語を身につけて外資系や上場企業への転身を狙うなら、不法就労のリスクを犯して日常会話を身につけることに何のメリットもありません。

アメリカは不法滞在者にはかなり厳しく、仮に強制送還されればその後10年は再入国出来ません

仮に英語をマスターしたとしても、アメリカに出張出来ない人間を雇用する会社があると思えませんし、面接時にバレなくても出張で発覚すれば自身の立場が悪くなるのは明白です。

こうなると、一体何のために語学留学したのかわからなくなります。

英語を学ぶ「学び方」を学ぼう

記事でも指摘していましたが、結局、安易に語学留学に飛びつく人は勉強の仕方を知らないのだと思うんです。

例えば英語をマスターするにはどのような方法があるか考えてみましょう?

・英会話学校に行く。
・語学留学する。
・市販の英会話教材を買う。
・オンライン英会話教室をやる。
・市販の英語テキスト、単語帳を買う。
・日本在住のネイティブにプライベートレッスンを依頼する

他にもいろいろ方法があるでしょう。

で、ここで二種類の人に分かれます。

  1. 調べるのが面倒なので誰かに手取り足取り教えて欲しい、と考える人
  2. 自分でどんな方法があるのか調べて、その中でコスト、期間、向き不向きを評価して方法を選ぶ人

恐らく語学留学で失敗する人は1のタイプが多いのだと思います。

英語といえば留学、行けば話せるようになると安易に考えてしまい、他の方法について検討しません。調べるのも考えるのも面倒。自身の調査・検討不足は棚に上げて、英語が上達しないのは学校のせい、日本人が多い環境のせいにします。

2のタイプは自身で問題を解決する人。

「英語を習得する」という課題に対して、解決方法を自分で調査し、その中から自分の環境や資金で取り得る最善の方法を検討します。

その上で、お金もあってまとまった時間が取れるので語学留学を選択する人は、現地で上記の記事のような境遇に直面したときでもすぐに問題を把握して軌道修正出来るので、留学は有意義なものになります。

つまり「英語を学ぶ学び方」というのは、2のタイプのような「問題解決思考」によって得られます。

このような思考は、何も語学に限った話ではなく、あらゆる分野に応用出来る考え方です。

そういえば仕事で出会う人には、前例や経験が無いと出来ないと言うタイプの人と、前例や経験が無くてもそれをやるにはどのくらいの費用とリスクがあるのかを考える人の2種類のタイプがいませんか?

話しているとなんとなく前者は1のタイプで、後者が2のタイプに見事に分かれるなぁと妙に自分で納得してしまいました。