アメリカで使われるヤード・ポンドがややこし過ぎるのでなんとかしてみる(1)

初めてアメリカ出張すると困るのが生活の隅々まで浸透しているヤード・ポンド(単位)。

今や世界的にSI単位(メートル法)が主流ですが、アメリカは未だにヤード・ポンド法を使い続けている稀有な国です。

ヤード・ポンド法の使用を禁止していない国は、ミャンマー、リベリア、アメリカの3つで、そのうちミャンマーとリベリアはヤード・ポンド法の使用を禁止していないだけで、実質はほぼメートル法に移行しています。

アメリカがヤード・ポンド法を棄てないのは国内事情なので勝手ですが、問題なのはアメリカは英語圏の中でも最大の情報発信国ということです。

良くも悪くもアメリカは世界の中心で、アメリカの政治動向、経済動向、文化やムーブメントは世界に影響を及ぼしますから、アメリカからの情報を受け取るにはヤード・ポンド法を意識せざるを得ません。本当に困った国です。(笑)

特にこれから北米に出張する人はヤード・ポンド法からメートル法の変換に苦労すると思うので、頭の中で簡単に変換できるコツをお伝えしたいと思います。

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アメリカで日常使われる単位とは

最近はアメリカでも徐々にSI単位系が使われ始めていますが、日常生活ではまだまだヤード・ポンド法が主流です。

日常的に使われている単位をざっと挙げてみます。

  • 長さ:インチ(1 inch = 25.4mm)
  • 長さ:フィート(1 foot = 12 inch = 304.5mm)
  • 距離:マイル(1 mile = 1.6km)
  • 面積:エーカー(1 acer = 40,960sq feet = 4,047㎡)
  • 速度:マイル/時( mile per hourを略してMPH)
  • 体積:ガロン(1 gallon = 3.78リットル)
  • 体積:バレル(1 barrel = 158.98リットル)
  • 重量:ポンド(1 pound(lb) = 0.45kg)
  • 温度:華氏( 32 Fahrenheit = 0℃)

※上記の値は小数点以下を端折っています。

これ以外にも重量の単位にオンスとか容積の単位にパイントとかありますが、上記の単位から派生しているものなのでここでは省略します。

まぁ、これだけ日本と単位が違うと、慣れないうちはその数字のボリューム感を感じづらいと思います。

例えば上の画像のように「制限速度55マイル/h」とあっても、55マイル/hって何km/h?ぐらいなの?って感じです。

簡単に単位を変換するコツは

日常生活では、大まかな変換値をイメージできれば良いのでざっくりとした変換の仕方を覚えると便利です。

フィート(feet)

1フィート=約30cmで覚えておくとよいでしょう。建築関係の方であれば、日本の尺(30.3cm)とほぼ同じなのでイメージしやすいと思います。

マイル(mile)

マイルは1.6kmなので、ざっくり計算するときは1マイル≒1.5kmで計算するとよいでしょう。

”3マイル”をイメージするとき、1.6km×3よりも1.5km×3のほうが暗算しやすいですよね。

ポンド(pound)

ポンドは0.45kgなので、ざっくり1ポンド≒0.5kgと覚えます。つまり表示ポンドを半分にするとおおよそのkgになります。

ポンド表示の体重計に初めて乗るとその数値にドキっとしますが、数値を半分にするといつもの体重(kg)に近くなるのでご安心を。

実は”ポンド”はカタカナ英語で、正しい発音は「パウンド」です。

”パウンドケーキ”は小麦粉、バター、砂糖、卵がそれぞれ1ポンドずつ使うのでパウンドケーキと言われています。砂糖が1ポンド!?…聞くだけで胸焼けしそうです。

ガロン(gallon)

ガロンはおおよそ1ガロン≒4リットルと覚えておけば良いでしょう。スーパーでオレンジジュースや牛乳がガロンボトルで売られていますが、見た目が大きいのですぐにわかります。

よく使われるのはガソリンです。日本から到着したばかりだとリットル表示のイメージがあるので「あんまり日本と変わらないねー」と思ってしまいますが、ガソリンスタンドに表示されている価格は”ガロン単位”です。

ガソリンポンプの表示数量を4倍にするとおおよその”リットル”になります。例えば満タンにしたときの表示が「12ガロン」であれば、大体48リットルぐらいです。正確には45.36リットルですが、概算との誤差は3リットル弱なのでボリュームをイメージする、という目的では許容範囲でしょう。

速度(mph)

北米はマイル/時表示ですので、100mphは大よそ時速160kmになります。メジャーリーグで100mphを超えるピッチャーは剛速球投手ですね。

この記事のトップ画像にもあるように、郊外は大体55mph(88km/h)に制限されているところが多いです。

30mph = 50km/h, 60mph = 100km/hと覚えておくとよいでしょう。北米の車の速度計は、相当古い車でなければkm/hも併記されていますのであまり間違わないと思いますが、広大な一本道を走っていると速度感覚が麻痺するので注意しましょう。

私は以前、砂漠の一本道を走っているときに100km/hのつもりが100mph(160km/h)だったことがあります。前後に車がまったくいないと本当に気が付きません。

温度(Fahrenheit)

最後に温度(華氏:F°:ファーレンハイト)です。

特に天気予報で頻繁に使われるので、短期の旅行でも覚えたほうがよい単位です。

華氏→摂氏の変換式は「5/9(F°-32)」ですが、こんな計算、暗算でやる気が起きないですよね。

なので、私は上の式を簡易化して「(F°-30)÷ 2」を暗算しています。華氏から30引いて半分にするだけです。

例えば「明日の最高気温は85F°」であれば85から30を引いて55、55を2で割ると27.5℃ですね。正確には29.4℃なので概算との誤差は2℃程度です。

「明日、暑いのか寒いのか」を判断する程度であればこの程度の誤差は許容範囲内です。

※但し、高い温度を扱うときは注意してください。

例えば、料理のレシピなどで「preheat the oven to 550°F(オーブンを550°Fまで予熱)」と書かれていたとします。

私の簡易変換式では、(550 – 30) ÷ 2 = 260℃ですが、正しく変換すると287.7℃で誤差が27℃も出てしまいます。

料理であれば美味しく出来ない程度で済みますが、仕事で使う温度だと場合によっては不具合を引き起こす可能性があります。

簡易変換は「高い温度になればなるほど、摂氏に変換する時の誤差が大きくなる」ということを覚えておいてください。

正確な数値が必要でなければ、概算でイメージしてしまおう

すべての日常生活で正確な数値が必要な訳ではありません。

明日、外出するときの気温を知りたいときに、32℃と32.5℃では正直どちらでもよく、「大体30℃ぐらい」であることがわかれば十分明日の行動計画を考えることができます。このようなときは概算で全く問題ありません。

一方で、体調不良で発熱したときなどは誤差2℃はかなり大きいので、正確な体温計測が必要でしょう。(北米の廉価帯の体温計は華氏のみなので、子供と一緒に北米を旅行する場合は日本から体温計を持って行ったほうが安心です)

買い物する場合も、私は安いものは1ドル=100円でざっくり計算し、100ドルを超えるような高額な買い物は実際の為替レートを加味するようにしています。

また、高い値段でもとりあえず金額イメージをつけるときは1ドル=100円で計算します。例えば、自動車の販売価格が「25,000ドル」だった場合は、単純に100倍して「25,000ドル=250万円位か…」とイメージします。とりあえず高いか安いかを判断するだけなのでこのぐらいざっくりでOKです。

もし、本当に気に入って買いたくなってきたら、実際の為替レートを加味して計算してみます。1ドル=120円の場合は300万!ですね。(もちろんドルで収入がある方は為替レートなんか考えなくてもよいです)

要するに、正確な数値が必要でないのであればわざわざ電卓で正確な変換値を出す必要はない、ということです。

2~3週間も滞在する内に、変換しなくてもヤード・ポンド法の単位でボリュームをイメージできるようになります。

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