いろんなサイトでも言われていますが、インプットばかり一生懸命やってもダメだし、アウトプットばかり一生懸命やっても英語力は伸びません。
今回はその理由について説明します。
インプットとアウトプットの仕組み
英文を読む、文法書を読む、英文を聴く、単語を覚える、イディオム(熟語)を覚える、といった作業は全てインプットです。
脳に対してインプット(入力)するわけです。
でも人間って、頭の中に入れるときって単に放り込んで入れているだけなんです。
整理しながら入れてるつもりでも実は端から並べているだけで、単に耳から入った順番で脳のメモリに並べていくだけです。
だから机に向かってインプットだけやっていると、膨大な量の英語の知識が未整理のまま脳の中に蓄積されていきます。
一方、英文を書く、英語を話すというのは全てアウトプットです。
脳の中に無造作に放り込まれた英語知識の中から、必要な情報を取り出して意味が通じる英文を組み立てていきます。
英語がうまく話せない、というのは、
b)そもそも英語の知識が脳に入っていない
のいずれかの状態になっているはずです。
アウトプットとは脳の中から引っ張り出す作業
で、英語を話せない大多数の人はa)の状態であることが非常に多いのです。
TOEIC 800点ぐらいの人で「実は英語を聞いて話すのはすごく苦手」という人は完全にa)に該当する人です。
人間の脳はインプットだけでは単に頭の中に知識を放り込んだだけで、それだけだと全然整理されていません。
使って初めて情報が整理されていくのです。
そして整理されてはじめて、スムーズに情報の出し入れができるようになります。
この「情報を使う」という行為がアウトプットであり、英語では「話す」「書く」という動作が相当します。
整理されていない情報であれば、うまく話せないのは当然ですね。
ある程度インプットしたら、あとはどんどん使ってみる
頭の中に放り込んだ英語の知識を使うことで、情報が整理されていきます。
私の場合は、こんな方法でアウトプットしました。
一人瞬間英作文
通勤時に駅まで歩く際に、目についたものを片っ端から英語にしてそれを声に出していました。
変に気取ったこと言わなくてもいいです。すごく簡単な感じで全く問題ありません。
例えば、
(あの女性は歩くのが私より速い)
とか
(駅は既に混雑している)
といった感じで全然OK。
とにかく目についたものを片っ端から英文にしていく練習です。
最初は簡単な日本語の文章でさえ、英文にするのに難儀すると思います。
膨大な未整理の英語知識から適切な単語を拾って文章にするのですから、慣れていないと難しいです。
しかし正解を見つけて行くうちに、その未整理の知識がだんだんと分類、整理されて、記憶の引き出しに収納されていくので、次回同じような英文を発するときには整理された引き出しからスムーズに引き出せるようになります。
独りロールプレイング
以前、独りロールプレイングについて記事にしました。
関連記事:
>>一人でもスピーキング練習ができる?独りロールプレイングのススメ
独りロールプレイングは、上の「一人瞬間作文」をもう一歩進化させ、頭の中に作った架空人物と会話するやり方です。
架空人物とは言え、相手の言葉に対して返事をするためには、頭の中から素早く英語の情報を引き出して返事を作成しなければなりません。
これも最初はうまくできないと思いますが、何度も何度も繰り返していくうちに英語の知識が整理されていきます。
イメージ的には、「錆びた引き出しがある散らかった部屋」があって、散らかっているモノ(知識)を引き出しに整理しながら入れていく感じです。
しかもしまった先の引き出しはさび付いているので、いざ使おうとしてもなかなかスムーズに引き出しが動きません。
しかし何度も何度も引き出しを使っているうちに錆が落ちて、スムーズに引き出しが動くようになっていきます。
道路や電車で一人で話すのが恥ずかしいとき
アウトプットですからどうしても口を動かす必要がありますが、周囲の目が気になります。
そういうときは、マスクしてボソボソ話すようにすれば、周囲は全く気が付きません。
もし自分の声が漏れたとしてもちょっと危ないヤツ、的な見られ方をするだけです。
まとめ
英語を効率よく習得したいのなら、インプットとアウトプットをバランスよくやる必要があります。
インプットされて、脳の中に無造作に展開された英語の知識を整理整頓するには、アウトプットするのが一番の近道です。
インプットするときも音読するようにすれば、アウトプット作業と同時に行えるのでより学習効率が上がります。
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