来年高校受験の子供に電子辞書が欲しいと言われ、いまさら電子辞書?今はスマホかタブレットでは?と思ったら、学校にはスマホやタブレットは持って行けないし、辞書持っていくのも重くて大変で、友達も大体電子辞書使ってると言う。
今更ガラパゴス家電を買うのもなんだかなーと思いつつも量販店に実物を見に行ったんです。
スマホとタブレットの普及で電子辞書の市場は縮小しちゃって、電子機器の操作に疎いお年寄りとか子供向けの電子辞書しか無いんじゃないかと思ってたのですが、そんな思いがサクっと裏切られました。
結論から言うと、もしこれから英語をやり直そうとする人は、電子辞書の購入を本気で検討してもいいんじゃないかと思いました。
そう思った経緯について説明します。
電子辞書市場はほぼカシオの1強
EX-WORDと言えば、20年ぐらい前に知り合いの結婚式の引き出物のカタログギフトでもらったことがあるんですが、当時のEX-WORDは英和・和英辞書とちょっとした英文法解説とTOEICの模擬試験問題が少し収録されている程度のもので、ハッキリ言っておもちゃに毛が生えた程度のものでした。
しかも語彙数が少なくて、仕事で使う英文マニュアルに出てくる単語なのにヒットしない単語がちょいちょいあって、正直別の商品もらえばよかったと後悔したぐらい、いい印象が無かったんです。
しかし今は量販店の電子辞書コーナーに行くと並んでいるのはほぼCASIOのEX-WORDシリーズ一色です。
店員さんによると、スマホとタブレットの登場で社会人の電子辞書市場が一気にしぼんでしまったけど、中高生は学校にスマホ持込禁止がほとんどなので学生市場として生き残っているとのこと。
その中でも売り場のど真ん中に高校生モデルのカラバリが全色並んでいるところから、高校生モデルが主力であることが一目瞭然です。
結局、CASIOのEX-WORD XD-Y4800という2016年版の高校生モデルをAmazonで購入。
既に2017年版がリリースされているため、大分値下がりしています。
電池入れて開いてみたところ。
2016年版なので初期値が2016/01/01になっています。
タッチペンでサクっと現在時刻を設定すると、すぐに見出し語検索画面が出てきます。
裏側の画像。左中段にmicroSDスロットがあります。
別売のコンテンツをmicroSDに入れてこのスロットに指すと、追加コンテンツとして使えます。拡張性も◎。
英語の充実ぶりが半端ない
高校生向けモデルだと6教科14科目に対応しているので、数学の公式集や解法集、物理や化学の用語辞典など一通り収録されていますが、その中でも英語関連コンテンツの充実ぶりが半端じゃないです。
単語帳が充実しすぎている
このCASIOのXD-Y4800には以下の単語帳が収録されています。
・キクタン【Basic】4000
・キクタン【Advanced】6000
・キクタン英検1級
・キクタン英検準1級
・キクタン英検2級
・キクタン英検準2級
・キクタン英検3級
・キクタンTOEIC Test Score 500
・ユメタン0
・ユメタン1
・ユメタン2
・ユメタン3
・ユメジュク
・ユメブン0
・ユメブン1
と、キクタンシリーズだけで8冊分、ユメタン、ユメブンシリーズで7冊分、全15冊分です。
これらは書籍で購入するとどれも1,500円/冊程度はするので、これだけで単純計算で22,500円分です。
まぁ、キクタン【Entry】2000とキクタン英検3級とユメタン0は初学者向けで内容が被っているので、単純に収録数の多さだけ見るのは意味がありませんが、少なくともこれだけあれば、TOEIC900点オーバーのボキャブラリーは余裕で確保出来ると思います。
しかも、予め電子辞書に組み込まれているので、電子辞書側で単語帳の進捗を記録・管理出来るのがとても便利。
書籍で購入した場合は、添付CDを自分でスマホに入れたり、進捗管理はテキストにメモするなどして自分で管理しなければならないので、それに比べると楽ですね。
総合英語Forest[7th Edition]も収録
当サイトでもオススメしている英文法書の「総合英語Forest[7th Edition]」がデジタルコンテンツとして収録済みです。
関連記事:
https://english-no-problem.com/column/post-643/
このForestは元々高校生向けに作られた英文法書で、社会人の英語学習者でも十分使える内容なのですが、一つだけ欠点があって、結構かさばるんですよ。
Forestは厚さ約2cmで辞書ほどではないにしろ持ち歩くには少しかさばります。そのため普段は家に常備して滅多に持ち歩きません。
それが1冊丸々電子辞書に入ってるのですから、出かけるのにかさばらず気軽に持って行けますね。
Forestが少し難しく感じる人には
・ゼロから始める英文法 高校レベル(改定版)
・ゼロから始める英文法 ドリル500
という初心者レベルの文法書も収録されているので、自分の英語レベルにあった文法コンテンツが選べます。
リスニングコンテンツが盛りだくさん
まず、NHKの英語アニメの
・リトルチャロ2:50話
合計計100話とNHKラジオ英会話が
・NHKラジオ基礎英語1
・NHKラジオ基礎英語2
・NHKラジオ基礎英語3
それぞれ1年分収録されています。(HNKラジオ英会話はNHKのサイトからも無料で視聴できますが、NHKネットクラブに登録しないと使えません)
それとリスニング特訓用に
・絶対「英語の耳」になる!リスニング50のルール 実践トレーニング編
が収録されており、リスニングのポイントを押さえながら英語耳を作ることができます。
例えば音がくっつく(リエゾン)するポイントやその仕組みなどを知れば、やみくもに英文を聴くよりも効率的にリスニング練習ができます。
TOEIC、TOEFL系のコンテンツがこれでもか!というぐらい詰まっている
TOEIC、TOEFL系の主要コンテンツは
・新TOEICテストスコアアップ
・新TOEICテストハイパー模試
・TOEFL TESTはじめての徹底攻略
・TOEFL TEST模試&レクチャー問題300問
・TOEICテスト新公式問題集Vol.1~Vol.4
ちょっと注意が必要なのは「TOEICテスト新公式問題集Vol.1~Vol.4」は、「新公式問題集」とあるものの2016年5月に改定された新TOEICテストではないこと。
TOEICの世界では、2006年に改定したときのテストを長らく「新TOEICテスト」と呼んでいたことから、これまでに発売された「新公式問題集」が今も流通しています。ややこしいですが。
そんなわけでこの「新公式問題集」はちょっと古いんです。
でも、2016年5月に改定された新テストもリスニングの話者が2人から3人になった程度なので、収録されている新公式問題集でも十分TOEIC対策が可能です。(旧テストも新テストも難易度には変更が無く、スコアは互換なので)
これらの公式問題集は現在も書店で販売されていますし買うと1冊3,000円はするので、Vol.1~Vol.4まで合わせると12,000円分の書籍です。
先の単語帳と合わせると、少なくとも英語だけで35,000円分のコンテンツで、すでに本体価格を超えています。
スマホで出来なくて電子辞書で出来ること
正直、今までは「電子辞書が出来ることなんてスマホで全部出来るじゃん」と思っていましたが、いざ使ってみると専用機には専用機の良さがあります。
辞書横断的な検索
英和時点だけで4種類、和英時点が7種類収録されており、これらの辞書を横断的に検索できるんです。
これは電子辞書ならではの機能ですが、スマホで同様のことをやろうとしても複数の辞書を横断的に調べてくれる機能はありません。
google検索だと、複数のオンライン辞書の検索結果を吐き出してくれますが、単語によっては検索結果の上位に出てこない場合もあるので、辞書として使うには不安があります。
調べたいときに調べられる安心感
スマホの辞書には2タイプあり、辞書コンテンツをフルダウンロードするタイプと、辞書データはサーバ上にあって辞書データにアクセスするゲートウェイアプリだけをインストールするタイプの2種類があります。
フルダウンロードタイプは当然ながら有償で、1辞書で3,000円程度します。
後者は無料ですが、当然ながらオフラインでは使えません。ネット環境が必須。
その点、電子辞書のメモリには辞書コンテンツが全て入っているので、調べたいときに調べられます。
便利な進捗管理
収録されている英語系コンテンツ(辞書を除く)はほとんどが学習の進捗管理が出来るようになっています。
何をどこまでやったのかが一目瞭然なので進捗管理がとっても楽です。
学習済みのところがマークで埋まっていくのは学習のモチベーションにもなりますね。
専用機ならではの軽快操作
電子辞書を開くと自動的に電源オンで、すぐに見出し語検索の入力待ち状態になります。
辞書データが内蔵フラッシュメモリに入っているので検索も一瞬。サックサク。
スマホだとどうしてもサーバーにアクセスに行くためにタイムラグが出てしまいます。
それでも数秒だったらさほど気にしないのですが、通勤時間帯や昼休みなどの多くの人がスマホを使う時間帯だとネットに繋がらないときがあるので、そういうときは電子辞書が羨ましい。
まとめ
・昔の電子辞書に比べて収録コンテンツが大幅に増えた。
特に英語系コンテンツが充実
・英語学習を始める社会人にも十分使える。
というかむしろ高校生モデルのほうが判りやすい
・キクタンなどをバラ買いするぐらいだったら電子辞書買ったほうが安いかも
・ネットが繋がらない環境でも使える
ある程度英語学習が進んでいる中級者より上の方にはあまり有用性を感じないと思いますが、これから英語をやり直す人であれば、十分購入する価値があると思います。
電子辞書1台分の費用で初心者からTOEIC/TOEFLのハイスコアを狙うレベルの学習までカバーできるのですから、ダメなテキストに引っかかって遠回りしなくても済みますし、なにより英語系のコンテンツがすべて1台に収まって持ち歩き出来るのはとても気持ちがいいです。
いつでもどこでも隙間時間を有効に使える環境を電子辞書で手軽に作れるのが最大のメリットだと思います。
スマホでお金をかけずに学習環境を作るのもアリですが、専用機を使うとかなり楽に勉強できるなぁ、と感じました。
高校生だけに使わせるのはもったいないです。
<2016年モデルのXD-Y4800>
<EX-WORD専用ケース>
最新機種が欲しい人のために2017年モデルのリンクを貼っておきます。
<2017年モデル:XD-G4800>
追記
電子辞書って毎年新しいモデルがリリースされていますが、2016年モデルと2017年モデルを比較しても大きな違いはほとんどありません。収録コンテンツがいくつか変更されて全体的に2~3コンテンツ増えただけです。
これはメーカーが新高校生向けにアピールするために毎年新型モデルを投入しているためであって、特に目新しい機能追加はありません。
新モデルが出ると大体旧モデルとの価格差が1万円近くになります。
個人的には新モデルと旧モデルの機能差には価格差1万円分の価値は見いだせないので、使いたいコンテンツが新モデルにしかない、というのでなければ旧モデルでも十分用が足りるでしょう。
コメント