日本企業も最近は”プロ経営者”を外部から招聘して経営改革するのが一般化してきました。
プロ経営者による経営が日本企業に馴染む/馴染まないはここでは言及しませんが、少なくとも従来の日本的な企業経営では世界と戦えなくなってきているのは確かです。
従来の内部昇格による経営者育成では事業判断のスピードが遅く、株主の間からも「経営は経営のプロに」という流れが加速しているように思います。
事業スピードが上がるとどうなるか?
新市場に参入するには、従来であれば新市場に参入するための武器を一から研究・開発していましたが、それでは世界的な開発競争に勝てません。
ではどうするか。世界で誰もやっていない事業であれば一から自前で開発するしかありませんが、すでに先行している企業があればその会社を買収するのが一番手っ取り早いです。つまり時間をお金で買うという考え方ですね。
市場シェアを拡大するために新製品を投入したり、製品ラインナップを強化するのは当たり前ですが、早くシェアを拡大するのであれば、同業他社を買収したほうが手っ取り早いです。
あなたの会社もいつ買収されるかわからない
確実に言えることは、今の状態が5年10年とは続かないということです。
これから日本と言う国が存続するためには、海外との競争を勝ち抜いていかなければなりません。日本は比較的大きな国内市場があったため、今までは創意工夫とカイゼンでトップランナーになれましたが、あっという間にアジア勢にキャッチアップされてしまいました。特に電機業界ではこの流れは顕著です。
これからは、入社したときの会社のまま定年を迎える人は極僅かになると思います。ほとんどの人が在籍中に他社から買収もしくはM&Aで合併することを経験するか、もしくは転職するかのどちらかでしょう。
中小企業も後継者不足で事業清算(従業員は解雇)する会社が続出するでしょうし、もしくはM&Aで同業者同士で合併する流れが加速するでしょう。
つまりこれからは会社自体が買収されたり、事業ごと売却されたり、逆の立場だと他社を吸収合併することが多くなるので、M&Aに巻き込まれる可能性が高くなるということです。
私が勤務する会社も数年前に同業他社とM&Aしました。実質買収です。(された側です)
買収されても悲観することはない
よくドラマでは、買収された側の人は買収した側から虐げられる描写がありますが、あんなことは実際ほとんどありません。
よく考えてみてください。買収する側は、その企業が今後の事業展開に必要だから買った訳です。今後の事業に必要な人材を横柄な態度で接して辞められた日には、一体何のために買収したのかわかりません。もし本当にそんな社員や経営者がいたらあまりにも頭が悪すぎます。
買収元企業のプロパー社員が買収先企業の社員に横柄な態度で接するというのはステレオタイプです。
買収後は一時的に買収元企業出身者が優遇されることはあるかもしれませんが、買収した企業の中にいる優秀な社員を無視することはできませんし、本当に実力がある人はプロパーだろうがプロパーじゃなかろうが評価されていくものです。逆に買収元企業で安穏としている人は、買収先企業の社員からいつ寝首を搔かれてもおかしくない訳です。
買収や合併はサラリーマンにとってある意味チャンスです。
今までの上司、経営陣から評価されなかった人も、組織や上司が変わるタイミングで能力を評価されるときが往々にしてあります。そのとき、外国語が出来ることは大きなアドバンテージです。
私は買収される前の会社で、たまたま海外メーカーとお付き合いのある仕事が回ってきたことで英語を勉強する機会を得ました。英語が出来るようになったこと自体は重宝されましたが、だからと言ってそれが人事評価に反映されることはありませんでした。
しかし買収後の組織では、一転その能力を買われて他の海外案件も任されるようになり、買収元企業出身の部下も付けてもらえるようになりました。今思うと、英語が出来なかったら他の40代、50代社員と一緒に埋もれていたと思います。
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