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機密保持契約書は英語で何という?

agreement

最近は日本でも一般的になってきた「機密保持契約書」ですが、英語では”Non Disclosure Agreement“と言います。通称”NDA”。

わざわざ”Non Disclosure Agreement”なんて言わなくても”NDA”でほぼ通じます。

でも、よく見てみるとおかしな用語なんです。

“disclosure”は「公開、公表、発表」という意味ですが、分解するとdis + closureと否定を表す接頭辞”dis”が付いています。

“closure”の意味は「閉鎖、封鎖、通行止め」です。closeが語源なので、「閉じた」とか「閉鎖」という意味を持つことは容易に想像できます。

つまり、

・closure → 「閉鎖、封鎖、通行止め」
  ↓
・disclosure → ”dis”が付くので「公開、公表」
  ↓
・Non disclosure → 更に”non”で否定されるので「非公開」
 (「非公開」が転じて「機密保持」)

2回も否定されるのです。

日本語の「機密保持契約」であれば、原語のclosureを使って「keep closure agreement」でも良さそうなものですが、なぜダメなんでしょう。

それは、discloseには「(情報を)公開する」という意味がありますが、closureには「閉じる、封鎖、通行止め」という意味はあっても「(情報を)封鎖する」という意味は無いんですね。

closureにはあくまでも物理的に「閉店」「閉鎖」「封鎖」という意味しかありません。

dis + closureになって初めて「(情報を)公開する」というニュアンスが出てくるので、だから”Non Disclosure Agreement”になるわけです。

機密保持契約書(NDA)を結ぶ際の注意

まず、機密保持契約書の雛形は「機密保持契約を結んで欲しいほうが用意する」のが原則です。

例えば、A社と海外の部品ベンダB社との間で取引する際、A社の装置仕様や特許に関わる技術を開示しないとB社から部品供給を受けられないといった場合は、A社が開示する機密情報がB社から流出しないように機密契約を結ばなければなりません。

その場合はA社が機密保持契約書の雛形を用意して、B社と契約内容を詰めるのが一般的です。

逆に、A社から特に機密情報の制約が無く、B社が部品供給するにあたりA社に機密情報の開示を制約したい場合はB社側が雛形を用意します。

要は契約を結んで欲しいと思っているほうが契約書の雛形を作る(用意する)というのが一般的です。

単にカタログ商品を定価(もしくは多少の値引き)で購入するぐらいの関係ならともかく、カスタム部品や大量購入や長期購入を見据えた取引であれば、実際に取引する前に相互にNDAを結ぶのが一般的です。

というのも、どの部品分野でも市場競争が進んでプレーヤーが減少すると、競合メーカー同士で同じ部品ベンダから調達することが往々にしてあるため、きちんとNDAを結んでから機密情報を開示しないと、部品ベンダ経由でライバル社に機密情報が流れてしまう懸念があるためです。

例えばスマートフォンで言えば、スマホメーカーは世界中に沢山ありますが、スマホに使われるCPUを供給しているチップベンダは世界でも数社しかありません。

ということはおのずと、ライバルメーカー同士で同じCPUを使うことはままありますし、チップベンダに悪意があればスマホメーカの情報をライバルメーカーに横流しすることも可能なわけです。

そんなときに機密保持契約(NDA)を結んでいれば、チップベンダの悪意(情報横流し)によって受けた損害を法的に請求することができますし、そういうことをさせないための抑止力にもなります。

中小企業での英文法務はどうするか?

とかく英文契約書というと、英文の中でも格式ばった取っつきにくい言い回しが多くてあまり読みたくない文書の一つですが、ビジネスをやる以上、避けて通れません。

大企業であれば、法務部に依頼すれば端から端まで精査してくれますが、中小企業で法務部門を持たない会社ではどうすればいいでしょうか?

機密保持契約自体は国内でも経験があるが法務的な英文がわからない、というのであれば、契約書の翻訳を専門にやる翻訳会社があるので、そういった翻訳サービスを使うのも一つの手です。

全く英語に自信が無く、社内にも法務、英語に明るい人がいなければ、ビジネス法務を手掛ける弁護士に依頼するのが確実です。

英文契約全般を手掛ける弁護士は探すとたくさんいますので、その中で担当しているビジネス分野に明るい弁護士を探して依頼するのがいいと思います。

しかし外部に依頼する場合でも、できれば担当者自身が英文の機密保持契約書を一度精読することをオススメします。

なぜなら、

・機密保持契約書は特殊な場合を除いて、比較的ボリュームが少ない。
 (→なんとか頑張れば読める)
・大体書いてある文章、章立てはどこも似たりよったり。
 (決まった文言が頻出するので、他の契約書を読むときの土台になる)
・読んでおくと、法務部門や弁護士と打ち合わせするのが楽。 

というメリットがあります。

弁護士も契約書の内容はわかりますが、機密情報の範囲は業界やビジネス範囲で変わってくるので、実際のビジネス担当者にしか機密情報の範囲はわかりません。そのため「弁護士にお金払ってるんだから」という意識で丸投げするのは一番マズいやり方です。

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