初めての海外出張、なんていうとかなり緊張しますよね。
ましてや英語がおぼつかない状態で一人で行かなきゃならないとしたら、不安でドキドキだと思います。
今回はそんな海外初めての人でも、出発前にこれだけは覚えていって欲しい英語をお伝えします。
1.公共の場での呼び出しにつかう”paging”
病院や空港など、館内放送で呼び出しするときは英語で”Paging”と言います。
(お呼び出しします、John Smith様、至急ABCエアラインのカウンタまでご連絡ください)
このように文頭に”Paging”を付けると「呼び出し」を意味します。日本語の「お呼び出しいたします」に相当します。
携帯電話が普及する前に「ポケットベル」というサービスがありましたが、これは海外では「ページャー(pager)」と呼ばれていました。
これは”page”という単語は、名詞では本のページ(頁)ですが、動詞では「呼び出す」という意味になるからです。
2.自分の名前が英語でどのように発音されるか知っておく
これは日本人にとって盲点なのですが、自分の名前が英語で呼ばれると発音が変わるときがあります。
「そんなバカな、固有名詞はどこの国でも同じ発音になるはず!」と思うかもしれませんが、それは自分がそう思っているだけです。
ローマ字表記のものは英語読みになると原音から変わってしまう場合が多々あります。
例えば、苗字だとこんな風に発音されてしまいます。
・佐藤(Sato) → セイトー
・阿部(Abe) → エイブ
・青木(Aoki) → エイオキ
・伊藤(Ito) → アイトー
・伊島(Ijima) → アイジマ
特にアメリカ英語だと顕著です。
これを知らないと、空港で「ページング、ミスターセイトーxxxx….」と呼び出されても、全く気がつきません。
私も以前搭乗予定の便が機材不良でキャンセルになったときに、「振替予定便より早い便で空席が出たら搭乗しますか?空席が出たら呼び出しますのでxx番ゲート近くでお待ちください」というので、いつ呼び出されるか待っていたのですが、自分の名前が英語読みだと変わることを知らず、呼び出されていることに全く気がつきませんでした。
結局、元々振替予定の便には乗れたので事なきを得ましたが、あのとき全ての”Paging~”に聞き耳立てていたのに全く気がつきませんでした。
また、「カズヒコ」とか「タケノリ」といった日本語独特の発音名は英語読みで間違えられる場合が多いです。「ケイズヒーコ」とか「テイクノーリ」といった感じに間違えられます。
ka-zu-hi-koという音の並びが英語に無いので、慣れないとパッと発音出来ないのです。
私たちもモンゴル出身力士の朝青龍の本名「ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ」をパっと見て正確に発音するのは、カタカナで表記されていても難しいです。
「ドルゴルスレンギーン」「ダグワドルジ」という音の並びが日本語の語彙に無いので、いきなり発音するのに慣れていないからです。
このように慣れない音の並びは正しく発音してもらえないことがある、ということを頭の片隅に入れておきましょう。
3.入国審査で簡単に”business”と言わない
よく入国審査で
(訪問目的は何ですか?)
と聞かれますが、安易に”business”と答えてしまうと、あらぬ追求をされてしまうことがあるので要注意です。
特にアメリカですが、いくらESTAで申請・承認されたからと言ってもそれで入国が確約された訳ではありません。あくまでも入国を許すか許さないかは入国審査官の胸先三寸です。
そこで、入国目的を聞かれたときに安易に「ビジネス」と言ってしまうと、”ビザウェーバープログラム(ビザ免除)で入国するのに働くつもりなのか?”と思われてしまいます。
入国審査官によってはそのまま通してくれる人もいますが、生真面目?な入国審査官だと「ビジネス?なんのビジネスだ?どこの会社だ?働くつもりなのか?」と質問を浴びせられます。(それで別室行きになった同僚が何人かいます)
アメリカは外国人の不法労働にはことのほかうるさい国です。
不法移民が最低賃金以下で働くから俺たちの雇用が奪われるんだ、と信じて疑わないアメリカ人も多いため、正規ビザを持たずに就労しようとする外国人には殊の外うるさいのです。
そのため、英語に自信がないときは”business”と言わずに
(打ち合わせに参加するため)
とか
(カンファレンスに参加するため)
と、具体的に説明しましょう。
それも難しいようでしたら、sightseeing(観光)と言っても構いませんが、スーツ着て「観光です」なんて言ったら怪しさ満点なので、そこらへんは自身の服装に合わせて適宜判断してください。
以前、私の同僚が不具合の解析作業を米国の部品メーカーと共同で行うために渡米したときのことです。
入国審査で入国目的を聞かれ、彼は「えーと、不具合解析は部品メーカーのオフィスで作業するんだから…」と思い
(パートナーの会社で作業するため)
と言って大変な目に合ってしまいました。
本人は「パートナー会社のオフィスで”作業”するため」と言いたかったのですが、それを”to work”と言ってしまったがために、ビザ無しで働こうとしていると思われてしまったのです。
たまたま近くに日系の空港職員がいたので事なきを得ましたが、うまく説明出来ないと入国拒否→強制送還となってもおかしくありませんでした。このように何気なく答えて入国拒否にあった話は枚挙に暇がありません。
大体どこの国でも労働の対価としてお金を得ることには正規ビザが必要です。不法滞在の外国人が就労することでアメリカ人の職が奪われてしまうので、入国審査官も”business”という言葉には敏感です。
ちなみに、正規のワーキングビザ(H1-bとか)を持って入国する人は”business”で全然問題ありません。
コメント