ようやく45分のリスニングパートが終わってホッとするのも束の間、これから75分のリーディングパート(100問)が始まります。
Part5は問題文の一部が空欄で、4つある選択肢の中から正答を一つ選ぶ穴埋め問題が30題あります。
リーディングパートの中でも最も対策しやすく、また一番得点しやすいのがこのPart5です。
ただ、対策しやすいからと言って一夜漬けでなんとななるというものではありません。
英文法をキチっと学習すればその分得点しやすい、つまり「やればやっただけ得点しやすい」のがPart5です。
その理由を解説します。
Part5の特徴
Part5は英語の文法、語彙の品詞についてどの程度理解しているのかが問われるパートです。
「英文法」というとなんだか難しそうな感じがしますが、文法とはその言語の「規則」です。
例えば、一つの文に述語動詞は必ず1つしかありませんし、述語動詞が2つ以上並ぶとかありません。
もしPart5で解答選択肢が
だったとき、問題文の空欄の前後を読んで動詞が無かったら正解は”b)動詞”となります。また、問題文の空欄を含む文に述語動詞が既にあれば、b)の動詞は答えから消えます。
つまり文法という英語の規則を知ることで、Part5の問題文を全て読まなくても解答選択肢と空欄の前後を読めば正答を見つけることが出来るのです。
もちろん、問題によっては問題文全てを読んだ上で正答を選ばなければならないものもありますが、文法を知ることで全文を読まなくても解ける問題が多くなります。
リーディングパートは時間との戦いです。
私の感覚では800点前後の人で試験時間を目いっぱい使ってなんとか最後まで、700点ぐらいの人は時間内にリーディングパート全て終わることは難しいと思います。
そのため、このPart5では全文読まなくても解答出来る問題はパターンに従ってサクサク解くようにして、余った時間をPart6, Part7(特にPart7)に回すようにします。
Part5の攻略ポイント
まず問題文より先に解答選択肢に目を通します。そして解答選択肢の種類を見て、解き方を判別します。
以下は種類別の攻略ポイントです。
1.選択肢に同じ単語の違う品詞が並べてある場合(1)
例えば解答選択肢が
a)expectation
b)expected
c)expects
d)expect
というようにexpect(期待する)の異なる品詞が並べてあったとします。
まず最初に問題文の空欄を含む文を見ます。
その文に動詞が入っていなければ十中八九動詞ですので、a)expectationは答えから消えます。
次に空欄を含む文の主語を見て、主語が1人称、2人称で現在のことを言っているのであればd)、3人称単数であればc)が正解になります。
空欄の前に完了形のhave/has/hadなどの助動詞があればb)が正解になります。
このように同じ単語の異なる品詞が並べてあるケースでは、空欄の前後や空欄を含む文を見ることで概ね正解を見つけることが出来ます。
2.選択肢に同じ意味の異なる品詞が並べてある場合(2)
a)information
b)inform
c)informative
d)informatively
1.のケースの延長です。
動詞がすでにある場合は、空欄の前後に名詞があればそれを修飾する形容詞c)が、逆に空欄の前に形容詞があれば名詞a)が正答になります。(名詞を修飾するのは形容詞)
空欄の前後が動詞であれば副詞d)が正解になります。
このパターンの問題は「どの品詞がどんな品詞を修飾するか?」という品詞の修飾関係を問われています。
- 一つの文に必ず動詞が一つ必要
- 動詞を修飾するのは副詞だけ
- 副詞は名詞以外を修飾する
- 形容詞は名詞・代名詞を修飾する。(動詞は修飾しない)
大事なのでもう一度いいますが「形容詞は名詞を修飾、副詞は名詞以外を修飾」です。
3.選択肢の動詞の形が異なる場合
a)has described
b)have described
c)describing
d)will describe
といった感じにdescribe(述べる、記述する)という動詞のバリエーションが並べてある場合があります。
この場合は、空欄の前後を見て
- 主語の単数or複数か?
- 主語が一、二人称or三人称か?
- 動作が完了したのか or 未来のことを述べているか?
などの情報を拾うことで、全文を読まずに正答を選ぶことができます。
4.前置詞と接続詞が並んでいる場合
a)Despite
b)Because of
c)Even though
d)Because
というような解答選択肢だったとします。a)とc)は同じ意味ですがa)は前置詞、c)は接続詞という品詞の違いがあります。
この手の問題は必ずと言っていいぐらい問題文がカンマで2つの文に区切られています。つまりこの2つの文を前置詞で関係させるのか、接続詞で繋ぐのか、ということを問われる問題です。
空欄を含む文を見て、主語+動詞(S+V)の形になっていれば接続詞であるc)またはd)が正答になります。文意を見てc)Even though(~にもかかわらず)なのかd)Because(なぜなら~)なのかを判断します。
S+Vの形になっていなければ前置詞であるa)またはb)が正答になります。こちらも文意を見てa)かb)を判断します。
このタイプの問題はほぼ毎回出題されるので、despite/in spite of, Although/Even though, while/during, because/because ofが出てきたら空欄を含む文がS+Vかどうか?を見て瞬時に解答出来るようにしましょう。(これらの接続詞、前置詞の意味を知っていれば問題文の単語を知らなくても正答を選べるのである意味Part5のサービス問題です)
ただし、despite/because ofが前置詞、even though/becauseが接続詞であることを知らないと、いくら考えてもこの手の問題は解けません。
こういうことを一つずつ潰していくのが文法学習で、これがPart5を一夜漬けで対策出来ない理由です。
続きます。
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